バタートースト評論家・セントルザベーカリーへ行く(3)
先日の日記「バタートースト評論家・セントルザベーカリーへ行く(2)」に続いてです。
今回はいよいよ、食べた感想です。

【食べてみて】(写真参照)


一番右の国産小麦の角食パンは、しっとりきれいなのが印象的です。また、本当に焼きあがって間もないのかとってもやわらかく、まだやわらかい時にスライスされたのか一部分がとっても分厚くなっていたくらいでした。やわらかさのなかにも湯種特有の弾力が感じられ、元気モリモリです!とパンが言っているようです。
生で、とありましたので生でも食べましたが、もちろんトースト好きな私はトーストしても食べました。
生の味は、この味がする、という強い印象を受けるものが無く、全体の味がきれいにそろった、どちらかというとそういった味をそろえる配合や弾力を出すための製法など、質重視のパン、という印象を受けました。
噛むと跳ね返ってくるような弾力は、歯がトランポリンをしているよう。
それをちょっと楽しみながらよく味わいながら噛んでいると、ほ~んのりかすかな甘みを感じます。
でもそれは砂糖の”甘さ”ではなく、素材それぞれが持っているほんの少しずつの”甘み”が集まって、ようやく感じられるかな~という程度。
どんな味?どんな味?と思いながら食べることで、必死に隠れていた甘みを見つけちゃった!と、かくれんぼのような楽しい味わい方のできたパンでした。
特にミミの部分は、味わいながら噛んでいるとプリンのカラメルのような奥行きのある香ばしさも感じられます。
また同時にこのパンは、バターを合わせたとき、バターの味の違いをうんと楽しませてくれるという大切な役割も果たしていました。
口に入れたときにはふんわりと感じ、もっちりした食感を楽しんでいると、パン生地とバターが絡み始め、ふわっとバターが香って味が出てくる。。。
それが3種それぞれ違うことで、トーストは、つけるバターによってこんなにも味が変わる、という重要性を教えてくれます。
これは、トーストを楽しむときに、パンを選ぶと同じくらい重要な要素である、と常に言っている私の思いを代弁してくれているかのようでした。
焼くと、一口目はサクッ、噛んでいるともっちり、とトーストを食べる楽しさが味わえます。
もちもち感を楽しんでいると上に塗ったバターが絡まり始めパン生地の味とよく混ざりはじめた味がしてきます。
やはり焼いてもパン生地に強い何かの味を感じるわけではないので、そのバランスに合うバターは、と考えると、
美瑛のバターは味が濃く、エシレやよつばバターは物足らない感じがします。
ところがよく噛んでいると、エシレと合わせた場合はその塩味がパンのコクが上手に引き出されてきます。
パンの香りが返ってきた感じがします。
よつばは美瑛のように香りが強くなく味も香りもまろやか。パンの味もまろやかなので、まろやかまろやかコンビです。
ちょっと疲れている時やおやつタイムにはこういった、味の刺々しくない、まろやかな感じのトーストが食べたくなります。
エシレかよつばか迷うところです。
う~ん。。。 よつばも奥深い味が出てきます。が、ちょ~っと私にとっては味がおだやか。
なんせ濃い味が好みなもので・・・。
せっかくのこの食パンをここで食べるなら、バランスのとれた味の中から奥底にあるおいしさをガシッと引き出してくれるエシレで、味わいながら食べることに価値がありそうです。
中央の
「北米産小麦の湯種・液種の角食パン」は、前述のパンとは違い色もやや黄色っぽく、手でちぎろうとするとやわらかすぎてクチャン、と生地がつぶれそうなほど弱々しくやわらかい生地でした。
かといって生のままで噛んでも口の中で多少はお団子状にまとまってしまうわけでもないところは、製法がきちんとしているからでしょう。ちょうど焼き立てのフランスパンの中心部・白いクラムの部分を食べたときと印象が似ています。
生で食べても感じますが小麦粉の味が強く、焼くと3種の食パンの中では最もそれを感じます。
粉の味ばかりではなく、その他の味の素材もにじみ出ているのは感じられますがそれが何の味、と目立つことはありません。
そのため甘いわけでもなく、ミルクや油脂の香りが強いわけでもなく。
小麦以外の原材料は、味の面では小麦の味が前面に出るようにしっかり下支えし、香りの点では香ばしさが映えるように引き立て役に徹しているかのようです。だから噛めば噛むほど舌全体に味が広がり、深く感じ、よりおいしく感じられます。パンを焼いたときに強く出る香ばしさや、ザクッとした食感からも、食パンを焼いて食べるのが好き!という人には3種の中では最も好まれそう。”あ、私今トーストを味わっているのね!”という幸せ感が味わえます。
このパンは焼くとパン生地自体に強い味を感じます。普通味の強いバターを合わせると味がケンカしてあまりおいしくなくなってしまうことが多いのですが、この美瑛のバターは相性がいいのか、珍しいほど味の濃いバタートーストとして成立します。ビックリするのは、冷めてもとってもおいしいこと!お弁当を作るとき、少し濃いめに味付けすると冷めてもおいしく感じられるのと、きっと同じですね。
ガッツリ食べ応えのあるバタートーストが好きだ!という人に向いています。
一番左は
「山型のイギリス食パン」
色合いや生の状態でちぎるときの生地のやわらかさは中央のパン生地とよく似ていますが、山型なのでその分だけよりふわふわっとした感じはありました。ただ、
生で食べると、中央の食パンほど濃い味はしませんが、ほんのり軽やかな小麦粉の風味が感じられます。ただちょっと、かんでいるうちに口の中でお団子状になるのが気になります。そう書いてありましたがまさしくトースト向きです。
焼いてみると、小麦の焼ける良~い香りがとても感じられました。味はとても軽やかな味。
中央の「北米産小麦の湯種・液種の角食パン」の味はどれもどっしりした味の濃さ。カレーに例えると、家で作って翌日もその翌日もカレーなんだけれどどんどん味が濃くなって実はおいしいと感じられるような、そんなコクが感じられるかのような味の濃さです。
それに対してこのイギリス食パンの味は、コクのような深さではなく、作りたてのカレーのように重くないフレッシュな味の感覚がします。
この食パンだけを食べた場合はきっと感じられないと思いますが、これは今回食パンを比較するからこそ感じられたこと。これが食べ比べの楽しさですね。
引きも強く、3種の食パンの中では最も一生懸命に噛みました。
バターは、美瑛のバターですとコクのある味の濃さであるためこのパンの味ではバターに負けてしまいます。この食パンには塩味の立つエシレが合いました。ただし、冷めてくると味がぼやけてくるので熱いうちに、口に入れたときにエシレバターの風味がちゃんと香るうちに食べるのがポイントかもしれません。
どのパンも、ミミがしっかりしているため、耳から手でちぎろうとするとかなり力が必要です。
パンナイフを借りようとしましたが、パンナイフは無く、お料理を食べるときに使う通常のナイフをお借りし、お肉や魚を切るときのためについている先の方のギザギザを利用し、耳に切れ目を入れてそれをきっかけにちぎっていきました。
生で食べる場合、パンのミミが硬いから好きじゃないという人にはちょっと抵抗があるかもしれません。
でも実は焼くとこれがすばらしく大変身!ゴーフルを少しだけ硬くしたような、サックサクのお菓子のように食べられます。
これこそが、焼きあがって間もない食パンを、パン生地にくっつかんばかりの距離で加熱するポップアップタイプのトースターで短時間で焼き上げたからこそ味わえるおいしさ。
これはなかなかパンを持ち帰って家で再現するのは難しいでしょう。
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この日記に関しては、以下に関連記事が掲載されています。ぜひご覧ください。
「~人生に旅心を~ TABIZINE(タビジン)」
今回はいよいよ、食べた感想です。

【食べてみて】(写真参照)


一番右の国産小麦の角食パンは、しっとりきれいなのが印象的です。また、本当に焼きあがって間もないのかとってもやわらかく、まだやわらかい時にスライスされたのか一部分がとっても分厚くなっていたくらいでした。やわらかさのなかにも湯種特有の弾力が感じられ、元気モリモリです!とパンが言っているようです。
生で、とありましたので生でも食べましたが、もちろんトースト好きな私はトーストしても食べました。
生の味は、この味がする、という強い印象を受けるものが無く、全体の味がきれいにそろった、どちらかというとそういった味をそろえる配合や弾力を出すための製法など、質重視のパン、という印象を受けました。
噛むと跳ね返ってくるような弾力は、歯がトランポリンをしているよう。
それをちょっと楽しみながらよく味わいながら噛んでいると、ほ~んのりかすかな甘みを感じます。
でもそれは砂糖の”甘さ”ではなく、素材それぞれが持っているほんの少しずつの”甘み”が集まって、ようやく感じられるかな~という程度。
どんな味?どんな味?と思いながら食べることで、必死に隠れていた甘みを見つけちゃった!と、かくれんぼのような楽しい味わい方のできたパンでした。
特にミミの部分は、味わいながら噛んでいるとプリンのカラメルのような奥行きのある香ばしさも感じられます。
また同時にこのパンは、バターを合わせたとき、バターの味の違いをうんと楽しませてくれるという大切な役割も果たしていました。
口に入れたときにはふんわりと感じ、もっちりした食感を楽しんでいると、パン生地とバターが絡み始め、ふわっとバターが香って味が出てくる。。。
それが3種それぞれ違うことで、トーストは、つけるバターによってこんなにも味が変わる、という重要性を教えてくれます。
これは、トーストを楽しむときに、パンを選ぶと同じくらい重要な要素である、と常に言っている私の思いを代弁してくれているかのようでした。
焼くと、一口目はサクッ、噛んでいるともっちり、とトーストを食べる楽しさが味わえます。
もちもち感を楽しんでいると上に塗ったバターが絡まり始めパン生地の味とよく混ざりはじめた味がしてきます。
やはり焼いてもパン生地に強い何かの味を感じるわけではないので、そのバランスに合うバターは、と考えると、
美瑛のバターは味が濃く、エシレやよつばバターは物足らない感じがします。
ところがよく噛んでいると、エシレと合わせた場合はその塩味がパンのコクが上手に引き出されてきます。
パンの香りが返ってきた感じがします。
よつばは美瑛のように香りが強くなく味も香りもまろやか。パンの味もまろやかなので、まろやかまろやかコンビです。
ちょっと疲れている時やおやつタイムにはこういった、味の刺々しくない、まろやかな感じのトーストが食べたくなります。
エシレかよつばか迷うところです。
う~ん。。。 よつばも奥深い味が出てきます。が、ちょ~っと私にとっては味がおだやか。
なんせ濃い味が好みなもので・・・。
せっかくのこの食パンをここで食べるなら、バランスのとれた味の中から奥底にあるおいしさをガシッと引き出してくれるエシレで、味わいながら食べることに価値がありそうです。
中央の
「北米産小麦の湯種・液種の角食パン」は、前述のパンとは違い色もやや黄色っぽく、手でちぎろうとするとやわらかすぎてクチャン、と生地がつぶれそうなほど弱々しくやわらかい生地でした。
かといって生のままで噛んでも口の中で多少はお団子状にまとまってしまうわけでもないところは、製法がきちんとしているからでしょう。ちょうど焼き立てのフランスパンの中心部・白いクラムの部分を食べたときと印象が似ています。
生で食べても感じますが小麦粉の味が強く、焼くと3種の食パンの中では最もそれを感じます。
粉の味ばかりではなく、その他の味の素材もにじみ出ているのは感じられますがそれが何の味、と目立つことはありません。
そのため甘いわけでもなく、ミルクや油脂の香りが強いわけでもなく。
小麦以外の原材料は、味の面では小麦の味が前面に出るようにしっかり下支えし、香りの点では香ばしさが映えるように引き立て役に徹しているかのようです。だから噛めば噛むほど舌全体に味が広がり、深く感じ、よりおいしく感じられます。パンを焼いたときに強く出る香ばしさや、ザクッとした食感からも、食パンを焼いて食べるのが好き!という人には3種の中では最も好まれそう。”あ、私今トーストを味わっているのね!”という幸せ感が味わえます。
このパンは焼くとパン生地自体に強い味を感じます。普通味の強いバターを合わせると味がケンカしてあまりおいしくなくなってしまうことが多いのですが、この美瑛のバターは相性がいいのか、珍しいほど味の濃いバタートーストとして成立します。ビックリするのは、冷めてもとってもおいしいこと!お弁当を作るとき、少し濃いめに味付けすると冷めてもおいしく感じられるのと、きっと同じですね。
ガッツリ食べ応えのあるバタートーストが好きだ!という人に向いています。
一番左は
「山型のイギリス食パン」
色合いや生の状態でちぎるときの生地のやわらかさは中央のパン生地とよく似ていますが、山型なのでその分だけよりふわふわっとした感じはありました。ただ、
生で食べると、中央の食パンほど濃い味はしませんが、ほんのり軽やかな小麦粉の風味が感じられます。ただちょっと、かんでいるうちに口の中でお団子状になるのが気になります。そう書いてありましたがまさしくトースト向きです。
焼いてみると、小麦の焼ける良~い香りがとても感じられました。味はとても軽やかな味。
中央の「北米産小麦の湯種・液種の角食パン」の味はどれもどっしりした味の濃さ。カレーに例えると、家で作って翌日もその翌日もカレーなんだけれどどんどん味が濃くなって実はおいしいと感じられるような、そんなコクが感じられるかのような味の濃さです。
それに対してこのイギリス食パンの味は、コクのような深さではなく、作りたてのカレーのように重くないフレッシュな味の感覚がします。
この食パンだけを食べた場合はきっと感じられないと思いますが、これは今回食パンを比較するからこそ感じられたこと。これが食べ比べの楽しさですね。
引きも強く、3種の食パンの中では最も一生懸命に噛みました。
バターは、美瑛のバターですとコクのある味の濃さであるためこのパンの味ではバターに負けてしまいます。この食パンには塩味の立つエシレが合いました。ただし、冷めてくると味がぼやけてくるので熱いうちに、口に入れたときにエシレバターの風味がちゃんと香るうちに食べるのがポイントかもしれません。
どのパンも、ミミがしっかりしているため、耳から手でちぎろうとするとかなり力が必要です。
パンナイフを借りようとしましたが、パンナイフは無く、お料理を食べるときに使う通常のナイフをお借りし、お肉や魚を切るときのためについている先の方のギザギザを利用し、耳に切れ目を入れてそれをきっかけにちぎっていきました。
生で食べる場合、パンのミミが硬いから好きじゃないという人にはちょっと抵抗があるかもしれません。
でも実は焼くとこれがすばらしく大変身!ゴーフルを少しだけ硬くしたような、サックサクのお菓子のように食べられます。
これこそが、焼きあがって間もない食パンを、パン生地にくっつかんばかりの距離で加熱するポップアップタイプのトースターで短時間で焼き上げたからこそ味わえるおいしさ。
これはなかなかパンを持ち帰って家で再現するのは難しいでしょう。
←←← バタートースト評論家・セントルザベーカリーへ行く(2)へ戻る
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